脈拍数が少ないのはスポーツ心臓だから!?それって本当にそうですか!?
どうも、学生時代はサッカーに励んでいた、元・自称スポーツマンのwataruです。
脈拍が少ない人がいると、「昔、スポーツやってました?」よく言うセリフです。
でもそれって本当でしょうか??その裏には怖い病気も潜んでいます。
そもそも脈拍ってなんのこと??
そもそも脈拍とは、心臓が収縮し拡張することにより生じる動脈襞の振動です。
簡単に言うと血液が心臓の拍動により血液が送り出される際に身体全身に伝わる振動のことです。心臓は、血液を全身に送るポンプの役割をします。それが正常に働いているときに、脈拍として触知することができます。
一般的に、脈拍の速度は5~9m/secと言われています。また、脈拍数は正常成人で1分間に60〜80回。100回以上のものを頻脈、50回以下のものを徐脈、律動の不規則なものを不整脈と言います。
脈拍を触知することによって、脈拍数、リズム、大きさ、緊張度、遅速、血管壁の性状、など様々なことを推察することができる。
スポーツしてた人が脈拍が少ないのはなぜ??
まず、自分が運動したときのことを考えてみましょう。
どうでしょう、すごくドクドクと脈打つのを感じると思います。そうなんです。一般的に、運動をすると全身に酸素を供給するために脈拍数がグーンと上がります。
実は人間の限界の脈拍数は決まっています。そのため、激しい運動を普段から行うスポーツ選手の心臓は、心臓を大きく、心臓の壁を分厚く成長させることで、普段の脈拍を少なく抑え、いざ運動するときに爆発的に脈拍数を増加するように変化します。
わかりやすく説明すると、普段の運動で脈拍が70回の人が限界まで運動して脈拍が200回まで上がったとします。すると、普段の約3倍運動時は酸素の供給ができるということになります。これが、普段の運動で脈拍が50回の人が限界まで運動して脈拍が200回まで上がったとします。すると、普段の約4倍運動時は酸素の供給ができるということになります。つまり、激しい運動に耐えることができるということです。
これが、一般的にいわれる、『スポーツ心臓』であり、スポーツしていた人が脈拍が少ないといわれる理由になります。
なら、スポーツしている人は全員スポーツ心臓なの??
実は、そこが今回の肝。みなさんが言う、スポーツ心臓はアスリート全員がなるものではなく、それどころか、「ほとんどの選手はならない」というのが心臓血管研究所の調査で示されています。
多くのスポーツ選手の心臓を調べてみると、左心室の拡張期の大きさが正常の基準より大きい60mm以上は14%、同じく左心房の大きさが40mm以上は20%、左心室の心筋の厚さが13mm以上はわずか2%だった。(Circulation. 2006 Oct 10;114(15):1633-44より)
長年激しい運動を続けてきたスポーツ選手は普通よりも心臓が大きく、安静時心拍数も少なくなりますが、それでも正常の範囲内にとどまる人がほとんどです。
まして、普段は会社で仕事をしている市民ランナーがスポーツ心臓になることはありえない話です。スポーツ心臓になるのは、あくまで10代の成長期のうちから激しい運動を続けてきた一部のアスリートだけであり、30歳や40歳になってから一念発起して走り始めても、心臓が急に大きくなることはなく、また、スポーツ心臓の人も引退して運動をやめれば、半年から1年程度で心臓が小さくなってしまいます。
脈拍が少ないことに関係する病気!!
では、スポーツ心臓ではない一般の方が、脈拍が少ないときに注意するべき問題は何でしょうか。紐解いて考えると、脈拍は心臓の拍動(心拍)を振動として捉えたものになります。つまり、脈拍に問題があるということは心臓に問題があるということになります。一般的に、脈拍が少ない場合=徐脈の大きな原因は、心拡大・心肥大にあるといわれています。心拡大とは、心臓の筋肉(心筋)が弱くなることで、一回の拍動でより多くの血液を全身に供給しようとする際に、心臓を大きくすることで代償しようとすることで起ります。心肥大は、心臓の筋肉が肥大することを言います。
これらが起こると、心不全や心筋梗塞、心筋症になり突然死を招く可能性もあります。
まとめ…
普段から、自分は大丈夫と。スポーツをしているから脈拍は少なくて当然と思っていたら、大きな病気が隠れているかもしれないですね。気になることがあったら、すぐに専門の病院(循環器)を受診することをおすすめします。では…