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脳の解剖学!!シナプスよ、銀河系を超越せよ!!

人間の中枢部分『脳-brain-』。脳が損傷を受けると体のあらゆる部分に支障をきたします。本日は、そんな『脳』の解剖学についてお話したいと思います。

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脳の不思議!?脳のシナプスは銀河系より多い!?

脳には方程式が存在します。その方程式を解くと、空腹を感じること、笑うこと、しゃべること、などなど…。そのぞれの活動に必要な神経過程は、脳の別々の領域で起こります。中枢神経系でもある脳は、頭蓋骨の中に入っています。脳は、約1,000億個のニューロンと10~50兆個のグリア細胞からできており、成人では約1,300gの重さがあるといわれています。1個のニューロンが他のニューロンとの間に作っているシナプスの数は平均1,000個程度です。したがって、シナプスの総数は約100兆個(10¹⁴個)で、銀河系の星より多いといわれています。

脳の主な部位について!!

一般的に脳とは、大脳・間脳・脳幹・小脳の4つの主要部位に分かれています。大脳(cerebrum)は、脳の中で最も大きな部分であり間脳と脳幹に支えられた構造となっています。間脳(diencephalon)は、視床視床下部視床上部からなる部分です。小脳(cerebellum)は、大脳に次ぐ脳の中で2番目に大きな部分であり、大脳横裂・小脳テントにより大脳から分離された構造となっています。脳幹(brain stem)は、中脳・橋・延髄からなる部分であり、間脳と脊髄を繋ぐような構造をしています。

脳の機能局在!!

脳は、色々な感覚を記録し、それらをお互いに関係づけ、蓄えられている情報とも関連づけ、意思決定を行い、行動を起こすための中枢です。また、知性・情動・行動・記憶の中枢でもあります。

脳の異なる領域は異なる機能のために特化しています。また、脳の異なる部位は連携して働いて、分担する特定の機能を果たしています。

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人では反射・生命維持などに関わる脊髄・脳幹の上に、本能・情動などに関わる間脳・大脳旧皮質(俗に「古い脳」という)が積み重なり、さらにその上に知的活動を担う大脳新皮質(俗に「新しい脳」という)が覆いかぶさるように発達しています。

それぞれの脳の主要部位は、その中でも詳細に機能局在が決まっています。

まとめ…

人は、脳の指令のもと動いています。脳のどの部分が損傷されたかで、出てくる症状にも違いがでてきます。脳の機能を理解すると、人の行動の不思議も見えてくることがあると思います。患者さんのリハビリをする上でもアセスメントとして非常に重要となってきます。脳の損傷部位と実際にでてくる症状を照らし合わせながら実施することが必要ですね。では…

 

 

あくびが出る理由って知っていますか!?

あー、眠たい...ふぁ~。あくびがでてきたなぁ~。

…ところであくびって何ですか!?皆さん意外と知らないですよね。

そこで今回は、そんなあくびの話です。

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あくびってなに??どんな時にでるの??

まず、あくびとは、不随意に起こる、大きく口を開けて深く息を吸う呼吸動作である。

あくびは、眠たい時、寝起き、疲れているとき、緊張している時、など様々な場面で起こります。メリーランド大学神経科学者で『あくびはどうして伝染するのか。人間のおかしな行動を科学する。』の著者である、ロバート・プロヴァインによれば、わたしたちは確かに疲れているときに最も頻繁にあくびをするとのこと。あくびには人間の状態変化を促進する働きがある。つまり、睡眠から覚醒、覚醒から睡眠、高揚から倦怠、あるいはその逆、と状態が変化するタイミングであくびが出るのです。

あくびってなんででるの??

数々の論が討議されていますが、実はあくびがでる原因はまだ解明しきれていません

これまで、脳が酸素を求めて酸素をたくさん体内に取り入れるためと考えられていましたが、実はあくびで取り入れられる酸素の量はさほど多くはなく、生体内でのあくび前後の酸素量は著名な変化はないという研究結果がでています。

現在あくびの原因として、もっとも有力なものが、体温調節の一助となっている説です。ニューヨーク州立大学オネオンタ校で心理学を教えるアンドリュー・ギャラップ准教授によると、あくびは脳を約37度の最適温度に保つのに役立っている可能性があると述べています。脳は熱くなりすぎるのを嫌うため、これは重要な役割である。頭を適温にしておかなければ、反応時間の遅れや記憶能力の低下といった、さまざまな弊害が生じてしまう。2010年の研究成果で、ギャラップはラットの脳にプローブを埋め込み、脳の温度に対するあくびの影響を調べた。その結果、わずか0.1度の体温上昇であくびが誘発されるとわかった。さらに頭蓋骨内の温度は、ラットがあくびをしたとたん、最大0.4度も低下することも判明した。ヒトの脳もこれに似た反応をしている、とギャラップは考えている。あくびをすると、あごを大きく開くことによって頭蓋骨内への血液の流入が増加し、温度の高い血液が効率的に脳から排出される。また、あくびの際に息を大きく吸うことで、鼻腔と口腔に空気が流れ込み、放熱されて頭蓋動脈系が冷やされる。いまのところ、この仮説はある程度の証拠に支持されている。多くの研究報告から、ヒトは冬より夏によくあくびをすること、低温環境や冷水のプールの中でジャンプをすることで、あくびの頻度が下がることなどが示されている。

またそれを裏付けるような研究もされており、ストレスや不安が脳の温度を上げることがわかっている。英国ボーンマス大学の神経科学者・臨床心理学者、サイモン・トンプソンもギャラップの仮説に同意する。あくびは、脳にとって不都合な温度上昇に対処する手段ではないのだろうか。トンプソンの研究からは、血中のコルチゾール濃度の上昇がしばしばあくびを誘発し、そのあくびによってさらにコルチゾール濃度が高まることが示された。コルチゾールは、わたしたちの体がストレスを受けたときにも生成される副腎皮質ホルモンであり、コルチゾール濃度の急上昇が、アドレナリン分泌を促進してわたしたちの警戒心を強め、脳の温度調節中枢である視床下部に「脳を冷やせ」という指令を伝えるのだと、トンプソンは考えている。

このように有力な説があり、現在研究が進んではいるが、あくまで仮説の段階である。

あくびがうつるのはなんで!?

あくびって、誰かがしていると不思議とうつってしまいますよね。

実は、このうつるあくびは人間の本能行動である“行動伝染”といわれる現象が関わっているといわれています。人がなにかをしているとそのことが気になり、つい自分も同じ行動をしてしまいます。

また、あくびを見るだけでなく、あくびについて考えたり、あくびに関する文章を読んむことで、あくびが誘発されることが分かっています。

他者に対する関心が低い人や自閉症児では、あくびがうつりにくいこと、また、あくびの映像を見ているときの脳画像を調べると、共感に関わる脳の部位が活発になっていることなど研究で分かってきています。また、最もあくびがうつりやすかったのは、家族(肉親や夫婦)。続いて友人、知人、見知らぬ人という順だったとイタリアの研究チームが発表しています。

あくびに潜む病気がある!?

前述にあるように、あくびは人間の状態変化と深く関わりがあります。

脳の温度変化や、ホルモンバランスの変化、血液内のわずかな成分変化などを敏感に感知してあくびは出現します。

例えば、疲労の観点から言えば、睡眠障害睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。

また、ホルモンバランスや血流量の観点から言うと、自律神経失調症貧血脳梗塞などが挙げられます。

また、低血糖熱中症片頭痛などからあくび(生あくび)が出現します。 

まとめ…

この記事を読んでいるだけでもあくびがでてきますよね。あくびって、まだ解明されていないことが多くて不思議な現象ですね。あくびが出るときは、なにかしら身体の状態変動が起きているということですね。・・・眠くなってきたので今日はこのへんで。では…

脈拍数が少ないのはスポーツ心臓だから!?それって本当にそうですか!?

どうも、学生時代はサッカーに励んでいた、元・自称スポーツマンのwataruです。

脈拍が少ない人がいると、「昔、スポーツやってました?」よく言うセリフです

でもそれって本当でしょうか??その裏には怖い病気も潜んでいます。

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そもそも脈拍ってなんのこと??

そもそも脈拍とは、心臓が収縮し拡張することにより生じる動脈襞の振動です。

簡単に言うと血液が心臓の拍動により血液が送り出される際に身体全身に伝わる振動のことです。心臓は、血液を全身に送るポンプの役割をします。それが正常に働いているときに、脈拍として触知することができます。

一般的に、脈拍の速度は5~9m/secと言われています。また、脈拍数は正常成人で1分間に60〜80回100回以上のものを頻脈50回以下のものを徐脈律動の不規則なものを不整脈と言います。

脈拍を触知することによって、脈拍数リズム大きさ緊張度遅速血管壁の性状、など様々なことを推察することができる。

スポーツしてた人が脈拍が少ないのはなぜ??

まず、自分が運動したときのことを考えてみましょう。

どうでしょう、すごくと脈打つのを感じると思います。そうなんです。一般的に、運動をすると全身に酸素を供給するために脈拍数がグーン上がります

実は人間の限界の脈拍数は決まっています。そのため、激しい運動を普段から行うスポーツ選手の心臓は、心臓を大きく、心臓の壁を分厚く成長させることで、普段の脈拍を少なく抑え、いざ運動するときに爆発的に脈拍数を増加するように変化します

わかりやすく説明すると、普段の運動で脈拍が70回の人が限界まで運動して脈拍が200回まで上がったとします。すると、普段の約3倍運動時は酸素の供給ができるということになります。これが、普段の運動で脈拍が50回の人が限界まで運動して脈拍が200回まで上がったとします。すると、普段の約4倍運動時は酸素の供給ができるということになります。つまり、激しい運動に耐えることができるということです

これが、一般的にいわれる、『スポーツ心臓』であり、スポーツしていた人が脈拍が少ないといわれる理由になります。

 

なら、スポーツしている人は全員スポーツ心臓なの??

実は、そこが今回の。みなさんが言う、スポーツ心臓はアスリート全員がなるものではなく、それどころか、「ほとんどの選手はならない」というのが心臓血管研究所の調査で示されています。

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多くのスポーツ選手の心臓を調べてみると、左心室の拡張期の大きさが正常の基準より大きい60mm以上は14%、同じく左心房の大きさが40mm以上は20%、左心室の心筋の厚さが13mm以上はわずか2%だった。(Circulation. 2006 Oct 10;114(15):1633-44より)

 

長年激しい運動を続けてきたスポーツ選手は普通よりも心臓が大きく、安静時心拍数も少なくなりますが、それでも正常の範囲内にとどまる人がほとんどです。

まして、普段は会社で仕事をしている市民ランナーがスポーツ心臓になることはありえない話です。スポーツ心臓になるのは、あくまで10代の成長期のうちから激しい運動を続けてきた一部のアスリートだけであり、30歳や40歳になってから一念発起して走り始めても、心臓が急に大きくなることはなく、また、スポーツ心臓の人も引退して運動をやめれば、半年から1年程度で心臓が小さくなってしまいます。

脈拍が少ないことに関係する病気!!

では、スポーツ心臓ではない一般の方が、脈拍が少ないときに注意するべき問題は何でしょうか。紐解いて考えると、脈拍は心臓の拍動(心拍)を振動として捉えたものになります。つまり、脈拍に問題があるということは心臓に問題があるということになります。一般的に、脈拍が少ない場合=徐脈の大きな原因は、心拡大・心肥大にあるといわれています。心拡大とは、心臓の筋肉(心筋)が弱くなることで、一回の拍動でより多くの血液を全身に供給しようとする際に、心臓を大きくすることで代償しようとすることで起ります。心肥大は、心臓の筋肉が肥大することを言います。

これらが起こると、心不全心筋梗塞、心筋症になり突然死を招く可能性もあります。

まとめ…

 普段から、自分は大丈夫と。スポーツをしているから脈拍は少なくて当然と思っていたら、大きな病気が隠れているかもしれないですね。気になることがあったら、すぐに専門の病院(循環器)を受診することをおすすめします。では…

 

歳をとったら筋肉痛が遅れてくるのは嘘!?筋肉痛の秘密!!

どうも、絶賛筋肉痛のwataruです。昔から、歳をとったら筋肉痛が遅れてくるとはよく言うのもですが、実はそれは大きな間違いなんです

おじさま方は「大人になったら筋肉ツーじゃなく筋肉スリーだなー!!わっはっは。」

とギャグをよくかましますよね(私の家庭だけでしょうか?笑)。

夏休みも終わり、運動会がやってきます。かっこいいパパ・ママ・じーじ・ばーばであるために、筋肉痛の正しい知識を身につけましょう

 

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そもそも、筋肉痛ってなに??

元来、筋肉痛は運動した後の疲労物質である乳酸が原因とされてきましたが、最近の研究によると乳酸と筋肉痛には直接的な因果関係がないことがわかっています。

では、筋肉痛とは何でしょうか。

1つ目は、運動することにより筋肉の筋線維や結合組織に負荷がかかり、微細な損傷を繰り返すことで生じます。

2つ目は、筋肉が損傷した後、修復するときに起る炎症で痛みが生じます。傷ついた筋線維は一度分解されその部分に新しい線維が作られますが、その分解の際に痛みが生じます。

つまり、筋肉痛は筋肉の損傷及び炎症反応で生じるということです

 

筋肉痛のメカニズムは!?

筋肉の損傷で痛みが生じるとは言いましたが、実は運動した際に微細損傷を起こす筋線維には神経組織がありません。つまり痛みを感じないんです。では、なぜ運動すると筋肉痛を起こすのでしょうか。

運動した際に筋線維が損傷すると、筋線維を修復するために血管が拡張し、白血球やリンパ球などが集結します。そうすると、細胞を分解し新たな細胞を生成するための炎症メディエーターである、発痛物質(ブラジキニンセロトニンヒスタミンなど)、プロスタノイド(プロスタグランジンなど)、サイトカイン(インターロイキン、TNFなど)が生成され、これらの物資を、痛みの受容器(侵害受容器)であるポリモーダル受容器が感知し痛みを感じます。

 

では、なぜ年齢を重ねると遅く筋肉痛がくるように感じるのか!?

それは、ズバリ、“普段からの運動不足”、“不慣れな運動”です!!

普段運動をしている人は、筋肉の栄養を行う毛細血管が発達し、血液量が多くなります。筋肉へ負荷がかかり、筋肉量も多いため耐久性が上昇します。

また、前述しましたが、筋線維自体には神経組織がないため、痛みを感じるのは筋膜に刺激が達してからということになります。普段から運動している人は、血液量が多いため、即座に筋損傷→筋修復の過程が進み、すぐに痛み刺激が侵害受容器に達しますが、普段運動していない人は血液量が少ないため、侵害受容器に達するには時間がかかってしまうということです。これがいわゆる遅発性筋肉痛と言われる、遅れてやってくる筋肉痛の正体です。

 

筋肉痛を予防するには??

 筋肉痛を予防するには、まず運動。普段から有酸素運動レジスタンス運動で筋肉の基礎を作っておくことをお勧めします。レジスタンストレーニングとは、有酸素運動とは違い、いわゆる腕立て伏せやスクワット、ダンベルを使用した筋力トレーニングのことです。これらを組み合わせることで、全身循環・血行の改善も期待できます。

また、運動前のストレッチ(ゆっくりと動きながらのストレッチがより効果的です)、十分な睡眠、栄養管理などもお勧めです。

筋肉痛になってしまったら??

どんなに普段運動していても、筋肉痛はどうしても起こる可能性があります。まずは、頑張ってくれた筋肉をいたわりましょう。

血行の促進をすることで、筋損傷後の修復を促進することが可能です。軽いストレッチやリラクゼーション、栄養・休養を十分にとることでより早い回復が可能となります。また、炎症反応が強く熱感などの所見が見られるときは、局部のアイシングや圧迫、挙上などをする(RICE処置)ことも重要です。

 

まとめ…

歳をとったら2~3日したら筋肉痛がくるなんてもう言えなくなりましたね。笑

かっこいい大人になるためにも、普段からの運動が重要ですね。

これを機に運動を始めてみるのもいいかもしれませんね。では…

 

 

日本予防理学療法学会 第5回サテライト集会 に参加してきました!!

どうも、理学療法士wataruです。

令和1年8月18日、“筑波大学  東京キャンパス”で開催されました、

日本予防理学療法学会 第5回サテライト集会「予防理学療法の可能性の追求」

に参加してきました。

 

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予防理学療法には疾病予防、重症化予防、再発予防等、各フェーズでの予防が含まれ、さらに、いわゆる高齢者の介護予防から内科疾患、整形外科疾患、スポーツ障害まで様々な領域での活躍が必要とされています。このような横にも縦にも広範囲であることから、予防理学療法領域のジェネラリストとスペシャリストの育成が必要と考えています。

まず教育講演として、現 日本理学療法士協会会長・半田 一登氏による「予防理学療法の可能性について」というテーマでご講演がありました

ランチョンセミナーとして、「サルコペニア:最新の知見に基づく予防と対策」というテーマで集会長である山田 実氏による講演がありました。

シンポジウムⅠとして、「内科疾患の重症化予防に対する理学療法

シンポジウムⅡとして、「スポーツ領域における予防理学療法

各題目に対して著名な先生方の講演がありました。

 

これから、高齢化が進むなかで、医療費はどんどん増えていく傾向にあります。しかし、公的保険費はどんどん削減されています。そこで重要なのが、医療費を抑えるための、「予防」分野です。転倒予防教室や健康体操指導などを地域で実施することで、病気になることを事前に防ぎ「健康寿命」を伸ばすことが必要となります。

また今回の学会では、少子高齢化が進むなかで、高齢者だけでなく、現在の児童にどれだけ健康を意識させ、どれだけ病気に罹患しないように予防するかが重要か、今後を見据えるうえで非常に考えることの多い学会となりました。自分にできることを少しづつ実行できればと思います。では…。

 

ミネラルって結局なんのこと??ミネラルたっぷりとはよく言うけど…。

おっ!!この商品ミネラルたっぷりってかいてある!!

うん、うん、すごくミネラルの味がする!!…で、ミネラルってなんですの??笑

そこで今回は、そんなミネラルの話です。

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ミネラルってなんのこと??

ミネラルとは、地球上に存在する118種類の元素のうち、酸素 (O) 、炭素 (C) 、水素 (H)、窒素 (N)  のように、たんぱく質・脂肪・炭水化物の主要構成成分になっているものを除いた114種類の元素をミネラルと呼び、栄養学では無機質とほぼ同意で使われています。

身体を構成する主要元素の割合は、酸素 :65%、炭素 :18% 、水素 :10%、 窒素 :3%、主要元素以外の割合は、わずかミネラル4%となっています。

ミネラルは三大栄養素には数えられませんが、ビタミンと共に五大栄養素の一つとして位置づけられています。ミネラルは、生体組織の構成や、生理機能の維持・調節に必要な微量栄養素です。ビタミンと同様に人間の体では作ることができないため、食物などから摂取する必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生しますが、摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こすものがあります。

ミネラルの中で、ヒトの体内に存在し、栄養素として欠かせないことが確定しているものを必須ミネラルといい、現在必須ミネラルは16種類あります。必須ミネラルのうち、1日の摂取量が概ね100 mg以上のものを多量ミネラル 、100 mg未満のものを微量ミネラルと分類することもあります。

 

必須ミネラルにはどのようなものがあるの!?

必須ミネラルには16種類あります。

主要ミネラル(7種類):

カルシウム、リン、硫黄、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素

微量ミネラル(9種類):

鉄、ヨウ素亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロム

 

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、必須ミネラル16種類のうち硫黄、塩素、コバルトを除く13種類について、1日の食事摂取基準を定めています。

 

ミネラルにはそれぞれどのような機能があるの!?

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どのような食品にミネラルは含まれるの!?

●カルシウム: 乳製品、小魚、大豆製品、葉野菜類(小松菜等)

●リン: 加工食品(食品添加物)、肉、魚介、乳製品

カリウム: 果物、野菜、海藻、きのこ、豆類、芋、肉、魚

●ナトリウム: 食塩、醤油など調味料、漬物、肉や魚の加工品

マグネシウム穀物(玄米・そば等)、種実類、海藻、大豆製品

●鉄:赤身の肉・魚、ひじき、レバー、小松菜、大豆製品

ヨウ素:焼きのりやタラなどの魚類や海藻など

亜鉛: 牡蠣、牛肉、うなぎ、玄米、大豆など

●銅:ココア、クルミなど

●セレン:マグロやブリなどの魚類

マンガン:栗、レンコンなど

モリブデン:豚レバー、木綿豆腐など

●クロム:干ひじき、じゃがいもなど

 

まとめ…

ミネラルは、114種類の元素の総称です。ミネラルの味なんてわかりませんね。笑

ビタミン同様、知らず知らずのうちに摂取しているミネラル。私たちの体の構成要素として必須なのは確かです。今度からは少しだけ、ミネラルにも気を使って健康的な生活をしたいものです。では…。

 

 

 

ビタミンって結局なんのこと!?ビタミンの種類とその役割!!

なんか体調悪いなー。肌の調子悪いなー。

とりあえずビタミン取っとけば??…ん?ビタミンってなんだっけ??

そこで今日は、そんなビタミンに関する話です。

 

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ビタミンとはなんだ!?

ビタミンは、エネルギー源や体をつくる成分いわゆる三大栄養素ではありませんが、五大栄養素の一つとして数えられ、人が健全に成長し、健康を維持するよう調整を行っています。実は、ビタミンの必要な量はとても少ないのですが、体の中でほとんどつくることができないので、食べ物からとることが必要です。

 

ビタミンには、水に溶ける水溶性ビタミンと、油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、それぞれの性質から体への取り込まれ方や代謝に特徴があります。水溶性、脂溶性合わせて13種類のビタミンがあります。

水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。このため体内の量が多くなり過ぎることはあまりないと考えられています。体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシンパントテン酸葉酸、ビオチン)、ビタミンCが水溶性ビタミンに当たります。

一方、脂溶性ビタミンは文字通り水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。身体の機能を正常に保つ働きをしていますが、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがこの脂溶性ビタミンに当たります。脂溶性ビタミンは脂分と一緒に取ると吸収されやすいです。

 

水溶性、脂溶性どちらも過剰摂取は健康の弊害となりえます。通常の食事では、過剰摂取となることは基本ありませんが、厚生労働省の発表する日本人の食事摂取基準(2015年版)というものがあります。気になる方は参考にしてみてください。

 

具体的にはどの食品から摂取できるの!?どんな役割があるの!?

では、どの食品に各ビタミンが多く含まれるのか、どのような役割があるのか見てみましょう。

水溶性ビタミン

ビタミンB1 穀類のはい芽(米ならヌカの部分)、豚肉、レバー、豆類など

ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。また糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係しています。

 

ビタミンB2レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、葉菜類など

ビタミンB2は、主に皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きをするビタミンで、糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにするなどの代謝を支える重要な働きをしています。活発に活動し、エネルギーをたくさん消費する人ほどビタミンB2はたくさん必要になります。

 

ビタミンB6かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉、バナナなど

ビタミンB6は、食品中のたんぱく質からエネルギー産生したり、筋肉や血液などがつくられたりする時に働いています。このため、たんぱく質を多くとる人ほどたくさん必要になります。また、以上のことから皮ふや粘膜の健康維持にも役立っています。

 

ビタミンB12動物性食品、かきなどの魚介類やレバーなど

ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。

 

ナイアシンレバー、魚、肉など

ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質から、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助する不可欠な働きをします。これは皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもすることになります。ナイアシンは不足がすすむとペラグラという欠乏症になることが知られています。

 

パントテン酸レバー、納豆、さけやいわしなどの魚介類、肉類、卵など

パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質代謝とエネルギー産生に不可欠な酵素を補助する役割をしています。また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関係しています。これらのことから、皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもしています。

 

葉酸レバーのほか、枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー等緑黄色野菜、いちごなど

葉酸は、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。このため、赤血球の細胞の形成を助けたり、細胞分裂が活発である胎児の正常な発育に役立ったりするなどの大切な働きをしています。
 葉酸は、ビタミンB12と協力して血液をつくる働きがあるため、欠乏症ではビタミンB12不足の際と同様、巨赤芽球性貧血という悪性の貧血がみられます。また、妊娠初期の女性が十分な葉酸を摂取すると、胎児において神経管閉鎖障害という神経管の発育不全になるリスクを減らすことがわかっています。さらに最近では、成人において脳卒中心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐという研究結果が多数報告されています。

 

β-カロテンにんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカなどの果物

β-カロテンには、ビタミンAの作用をするという働きのほかに、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫を増強する働きがあることがわかってきています。また、β-カロテン自体がどれだけ役立っているかははっきりしないものの、β-カロテンが豊富な野菜や果物を十分に摂取することによって、心疾患やある種のがんのリスクが低減することも示されています。

 

ビタミンC果物(特にかんきつ類やイチゴ)、野菜、いもなど

ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠です。これより皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。また、病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くしたりします。さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患を予防することが期待できます。

 

脂溶性ビタミン

ビタミンAレバー、うなぎ、バター、マーガリン、チーズ、卵、緑黄色野菜など

ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能(視覚の暗順応)に関わったり、さらにのどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守ったりなど、たくさんの重要な役割を持っています。

 

ビタミンD魚介類、卵類、きのこ類など

ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きと、それによって血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きがあります。また、ビタミンDは日光でも摂取することが可能です。

 

ビタミンEナッツ類、植物油、うなぎ等魚介類、西洋かぼちゃ、アボカドなど

抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。この働きから、体内の細胞膜の酸化による老化や、血液中のLDLコレステロールの酸化による動脈硬化など、生活習慣病や老化と関連する疾患を予防することが期待されています。

 

ビタミンK納豆、こまつ菜、ほうれん草などの緑黄色野菜

ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子を活性化します。また、骨の健康維持にも不可欠で、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成をうながすことも知られています。このため、ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬としても使われています。さらに、血管(動脈)の健康にも役立っています。しかしながら、血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を服用中の方は、ビタミンKは止血作用があり、反対の作用をしていまうため摂取を控えるよう注意が必要です。

 

まとめ…

ビタミンには多くの種類があり、その役割も多種多様です。しかし、普段の食事から、まんべんなく食品を摂取することで、ビタミンを摂取することは可能です。少しでも食品に気を配りながら、健康的に生活していきたいですね。では…。