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血圧について!!高血圧に注意せよ!?運動療法のススメ!!

皆さん、普段から『血圧』という言葉をよく耳にしますよね。しかし、血圧とはなにかをしっかり知っている人は意外と少ないと思います。

そこで今回は、血圧とは何か、高血圧とは何か、高血圧を防ぐための運動療法を簡単に解説したいと思います。

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血圧が大事とは言うけれど…、そもそも血圧って何!?

血圧とは、血管内の圧力のことです。つまり、心臓のポンプ作用により送り出される血液の押す力のことです。押す力が強いと血圧が高い、弱いと血圧が低いというわけです。そのままです。はい。

一般的に血圧は、上腕動脈で測定します。腕の関節のところでボコッと出ている動脈です。血圧=収縮期血圧systolic blood pressure)/拡張期血圧diastolic blood pressure

医療現場では、血圧のことをBP、収縮期血圧のことをsBP、拡張期血圧のことをdBPと表記したりします。

収縮期血圧とは、血液を押し出すときの最も高い血圧のことであり、

拡張期血圧とは、血管が拡張して血液の流れが緩やかなときの最も低い血圧のことです。

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血圧を決める主な要因として、心拍出量、末梢血管抵抗、循環血液量、血液の粘着度、大動脈の弾力があげられます。

また、血圧は一定ではなく、その時の食事や運動、ストレス、気温の変化など様々な要因でも変化し、自律神経の活動とも深い関係があります。

 

血圧の正常値とは!?はたまた異常値とは!?(収縮期血圧拡張期血圧

血圧の正常値は、120~139/80~89mmHgとされています。

至適血圧(循環器病リスクが最も低い血圧)は、120未満/80未満mmHgとされています。

高血圧症の診断基準値は、140以上/90以上mmHgとされています。

また、正常値の中でも高めであったり、高血圧の中でも重症度があったりと細かく分類がされています。

 

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ちなみに、メタボリックシンドロームの診断基準による血圧の項目は、

130mmHg以上/85mmHg以上となっており、高血圧症の診断基準における正常高値の状態も含まれます。

 

高血圧症とはなにか!?

高血圧症とは、血管の中を流れる血液の圧力が強くなり続けている状態です。進行すると血管壁の弾力性やしなやかさが失われ、また血管壁に傷が生じて、その傷にLDLコレステロールになどが沈着すると動脈硬化が促進されます。

高血圧症の95%は原因を特定できない本態性高血圧であり、その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因などが複合的に重なっていると考えられ、メタボリックシンドロームとも関係の深いものです。残りの5%は特定の病気が原因となって引き起こされる高血圧で、二次性高血圧と呼ばれます。睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。

 

高血圧を防ぐには!!

厚生労働省の公表によると、高血圧を防ぐための降圧治療(血圧を下げる治療)には、生活習慣の修正、降圧薬治療があげられています。生活習慣の修正は、①食塩摂取量の制限②野菜や果物の摂取の促進飽和脂肪酸や総脂肪摂取量の制限④体重減少(肥満の場合)⑤運動・身体活動量の増加⑥アルコール摂取量の制限⑦禁煙(受動喫煙の防止も含む)とされています。

運動療法は血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られ、高血圧症を改善するといわれています。運動療法には以下のような運動種目・時間・強度・頻度が一般的に推奨されています。

◎運動種目
ウォーキング(速歩)・軽いジョギング・水中運動・自転車・その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動
◎運動頻度・時間
定期的に(できれば毎日)、30分以上の運動を目標とする。また10分以上の運動であれば合計して1日30分以上としてもよい。
◎運動強度
低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍/分、最大酸素摂取量の50%程度)。また上記のような運動を急に実施するのは身体に与える負担が大きいため、掃除・洗車・子供と遊ぶ・自転車で買い物に行くなどの生活活動のなかで身体活動量を増やすことからはじめてもよい

さらに運動療法は、1週間あたりの総運動時間あるいは総消費カロリーで設定することが適当であるといわれています。例えば1回の運動時間を長く設定し1週間の運動回数を減らすか、運動強度を低く設定し1週間の運動回数を増やすなどの設定を個人に合わせて考えることができます。

 

まとめ…

全身に張り巡らされる血管。そしてその中を通る血液。お互いが協力しあいながら血圧というものが管理されています。これから暑い夏、塩分が欲しくなくことが多いと思います。塩分は、非常に重要な養分です。しかし、取りすぎは禁物。高血圧の最大の原因は塩分ともいわれるくらいです。適切な食生活と運動習慣に注意して暑い夏を乗り切りたいですね。では…