死神の歩行速度は時速5㎞!?せまる死神の歩行速度について!!
“The Grim Reaper's walk”という言葉を知っていますか?
直訳すると、“死神の歩行”という意味です。うーん、一体どういうことでしょうか。
理学療法士的に意味を紐解くと、ヒトの命は有限であり、命ある以上“死”というものが、常に隣合わせにある状態です。死神の歩行速度とは、死がどれだけ迫ってきているかということになります。つまり、死神の歩行速度に追いつかれなければ、ヒトは死なない。追いつかれたときに死んでしまう。ということです。
死神の歩行速度の最高記録は!?
2011年の調査(海外)で、死神の歩行速度が具体的に検出されています。その歩行速度より早く歩ければ死なないということになります。
1705名の70歳以上における平均59.3か月に及ぶ追跡調査によると、
・0.82m/s(時速3㎞)で歩ける人は1.23倍死亡率が低下
・1.36m/s(時速5㎞)で歩ける人で死亡した人はいない
・歩行速度低下は入院リスク、介護リスク、転倒の予測因子になる。
・歩行速度は永続的な認知障害発生の予防因子になる。
・有害事象が起こる前に、歩行障害(速度低下)が起こる。
つまり、死神の歩行速度は、トップランナーでも1.36m/s(時速5km)ということになります。この速度を指標の一つとし、歩行速度に注意するようにしましょう。
理学療法士に求められる歩行再建とリハビリテーション!!
歩行困難となっている方は、世の中にはたくさんいます。病院やデイケア、予防教室等に通われている方は、理学療法士から適切な歩行指導がされていると思います。
しかし、現状の問題として、ちょっとは歩けるから指導は受けなくていいという考えや、歩き方の指導不足により、効果的な歩行改善のためのトレーニングが行われていないのが実情です。
歩き方の悪化と不活動により、歩行機能の低下を起こし、易疲労性や転倒リスクの増加、活動量の低下及び廃用症候群を引き起こします。そうすると、負のスパイラルに陥り、重症化や転倒リスクの増加につながってしまいます。
そこで、達成すべき目標として、理学療法士による歩行再建が必要であり、歩行トレーニングをより専門的に行うことで歩行機能の改善を図り、社会参加の促進を図ることが重要となっています。
まとめ…
ヒトそれぞれに死神が付いており、その死神の歩行速度には個体差があります。また、ヒトは多くの重り(合併症)を持っていると持っているだけ、速度がガクンと落ちてしまい、死神に追いつかれやすくなってしまいます。歩行は、全身的な“健康”に直接影響し、速く歩ける方が死ににくいということになります。死神に追いつかれないよう、普段の生活から改善していけるといいですね。では…