リハビリテーション室へようこそ!

~当たり前に。いつも通りに。~

あくびが出る理由って知っていますか!?

あー、眠たい...ふぁ~。あくびがでてきたなぁ~。

…ところであくびって何ですか!?皆さん意外と知らないですよね。

そこで今回は、そんなあくびの話です。

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あくびってなに??どんな時にでるの??

まず、あくびとは、不随意に起こる、大きく口を開けて深く息を吸う呼吸動作である。

あくびは、眠たい時、寝起き、疲れているとき、緊張している時、など様々な場面で起こります。メリーランド大学神経科学者で『あくびはどうして伝染するのか。人間のおかしな行動を科学する。』の著者である、ロバート・プロヴァインによれば、わたしたちは確かに疲れているときに最も頻繁にあくびをするとのこと。あくびには人間の状態変化を促進する働きがある。つまり、睡眠から覚醒、覚醒から睡眠、高揚から倦怠、あるいはその逆、と状態が変化するタイミングであくびが出るのです。

あくびってなんででるの??

数々の論が討議されていますが、実はあくびがでる原因はまだ解明しきれていません

これまで、脳が酸素を求めて酸素をたくさん体内に取り入れるためと考えられていましたが、実はあくびで取り入れられる酸素の量はさほど多くはなく、生体内でのあくび前後の酸素量は著名な変化はないという研究結果がでています。

現在あくびの原因として、もっとも有力なものが、体温調節の一助となっている説です。ニューヨーク州立大学オネオンタ校で心理学を教えるアンドリュー・ギャラップ准教授によると、あくびは脳を約37度の最適温度に保つのに役立っている可能性があると述べています。脳は熱くなりすぎるのを嫌うため、これは重要な役割である。頭を適温にしておかなければ、反応時間の遅れや記憶能力の低下といった、さまざまな弊害が生じてしまう。2010年の研究成果で、ギャラップはラットの脳にプローブを埋め込み、脳の温度に対するあくびの影響を調べた。その結果、わずか0.1度の体温上昇であくびが誘発されるとわかった。さらに頭蓋骨内の温度は、ラットがあくびをしたとたん、最大0.4度も低下することも判明した。ヒトの脳もこれに似た反応をしている、とギャラップは考えている。あくびをすると、あごを大きく開くことによって頭蓋骨内への血液の流入が増加し、温度の高い血液が効率的に脳から排出される。また、あくびの際に息を大きく吸うことで、鼻腔と口腔に空気が流れ込み、放熱されて頭蓋動脈系が冷やされる。いまのところ、この仮説はある程度の証拠に支持されている。多くの研究報告から、ヒトは冬より夏によくあくびをすること、低温環境や冷水のプールの中でジャンプをすることで、あくびの頻度が下がることなどが示されている。

またそれを裏付けるような研究もされており、ストレスや不安が脳の温度を上げることがわかっている。英国ボーンマス大学の神経科学者・臨床心理学者、サイモン・トンプソンもギャラップの仮説に同意する。あくびは、脳にとって不都合な温度上昇に対処する手段ではないのだろうか。トンプソンの研究からは、血中のコルチゾール濃度の上昇がしばしばあくびを誘発し、そのあくびによってさらにコルチゾール濃度が高まることが示された。コルチゾールは、わたしたちの体がストレスを受けたときにも生成される副腎皮質ホルモンであり、コルチゾール濃度の急上昇が、アドレナリン分泌を促進してわたしたちの警戒心を強め、脳の温度調節中枢である視床下部に「脳を冷やせ」という指令を伝えるのだと、トンプソンは考えている。

このように有力な説があり、現在研究が進んではいるが、あくまで仮説の段階である。

あくびがうつるのはなんで!?

あくびって、誰かがしていると不思議とうつってしまいますよね。

実は、このうつるあくびは人間の本能行動である“行動伝染”といわれる現象が関わっているといわれています。人がなにかをしているとそのことが気になり、つい自分も同じ行動をしてしまいます。

また、あくびを見るだけでなく、あくびについて考えたり、あくびに関する文章を読んむことで、あくびが誘発されることが分かっています。

他者に対する関心が低い人や自閉症児では、あくびがうつりにくいこと、また、あくびの映像を見ているときの脳画像を調べると、共感に関わる脳の部位が活発になっていることなど研究で分かってきています。また、最もあくびがうつりやすかったのは、家族(肉親や夫婦)。続いて友人、知人、見知らぬ人という順だったとイタリアの研究チームが発表しています。

あくびに潜む病気がある!?

前述にあるように、あくびは人間の状態変化と深く関わりがあります。

脳の温度変化や、ホルモンバランスの変化、血液内のわずかな成分変化などを敏感に感知してあくびは出現します。

例えば、疲労の観点から言えば、睡眠障害睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。

また、ホルモンバランスや血流量の観点から言うと、自律神経失調症貧血脳梗塞などが挙げられます。

また、低血糖熱中症片頭痛などからあくび(生あくび)が出現します。 

まとめ…

この記事を読んでいるだけでもあくびがでてきますよね。あくびって、まだ解明されていないことが多くて不思議な現象ですね。あくびが出るときは、なにかしら身体の状態変動が起きているということですね。・・・眠くなってきたので今日はこのへんで。では…