リハビリテーション室へようこそ!

~当たり前に。いつも通りに。~

重要なのはラポール形成!!理学療法士による患者さんの介入の仕方!!

 

』という言葉があるように、患者さんも理学療法士も十人十色です。

そこで今回は、普段の私がどのように患者さんに介入しているのかを簡単に紹介したいと思います。

あくまで、独自の視点ですので参考程度に読んでもらえると幸いです。 

 

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ラポール形成とはなにか!?そもそもラポールとは??

人と人とを繋ぐ信頼ラポール。患者さんとの関係を築くうえで一番といってもいいほど重要なものです。

ラポールとは、フランス語でという意味があります。

また、もともと心理学用語であり、安心感、好感、そして信頼性といったいろいろな意味合いをもつ言葉です。簡単に言うと、相手との良好な関係性のことです。

 人と人が心を通わせるには、架け橋がないといけないですよね。

その架け橋をわたるのは言葉であり、表情であり、声であり、態度であり、においであり、…つまり『五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)』です。

ラポール形成の仕方は、個人個人ですが、傾聴というものが大事になります。

 

理学療法士とその他医療スタッフとの違い!!

理学療法士『人』と接する職業です。接する時間は患者さんそれぞれで違うのですが、おおよそ20分~60分程度です。

医療現場のほかの職種のスタッフは、実はそこまで長い時間、患者さんに接することができないのです(連続で接している時間と思ってください)。お医者さんや看護師さんは、患者さんと長時間一緒にいることができず、単発的な対応になってしまうケースが多いです。

何が言いたいかというと、理学療法士は問診に時間をかけることができ、その患者さんのことをより深く聴くことができる。患者さんの癖(病気や性格)をいち早く見つけることができ、うまく対応ができる。つまり信頼関係を築きやすい(ラポール形成しやすい)ということです。

 

もちろん患者さんも理学療法士も人間ですので、性格が合う・合わないがあって当然です。しかし、信頼関係をうまく築けなければ、今後の治療成果にも大きく影響がでてしまいます。そしてその逆もまたしかりです。

 

患者さんと初めて接するときに考えることは!?

まず、人との付き合いで一番大事なのは、ファーストコンタクトです。初めてその人に会った時の印象は強く記憶にのこります。その『人』が『患者さん』であった場合、例えば容姿はもちろんですが、表情や身振り手振り、目線の使い方や立ち振る舞いなど、『患者さん』は、無意識にスタッフを評価しています。特に理学療法士は、身体に触れる職業ですので、この理学療法士は信頼できるのか、知識はどの程度あるのか、私を良くしてくれるのか。と数多くの思考をめぐらせると思います。

 

介入する前にしてほしいこと!!

介入する前に、まずカルテをみて情報収集をしてください。このときできるだけ多くの情報を収集します。今回の疾患のことから、既往歴や家族構成、どこの出身か、画像や血液データ・内服状況など。本人の主張や、どうでもよさそうなことなどから、頭の中で患者像を簡易的に作り、カルテから視る患者評価を行います。

コミュニケーションのテクニックの一つに、『類似性の法則』を使用したものがあります。

例えば、出身が一緒であったり、名前が一緒であったり、誕生日が一緒であったり、

共通点(共通してできる会話)があれば、その患者さんとの距離は一気に近づきます。人は、共通していることがあると信頼感や安心感を持ちやすい性があります。

カルテからそれを見出すことができれば、さりげない会話から共通点の話へもっていきましょう。

 

 

カルテはしっかり見た!!いよいよファーストコンタクト!!

カルテから十分に情報収集をした後は、いよいよ患者さんに挨拶に行きます。ここで、ファーストコンタクトをとり頭の中で作った患者像と実際に診た患者像を統合していきます。この時に必要なことは、会話の中で自分が持っているカルテから得た情報はこちらから下手に話さない。ということです。あくまで、患者さんから話を聞き出し、しゃべっていただくということが大事です。つまり、相手の気持ち良いように話してもらう。傾聴です。初めて会う医療スタッフが自分の情報をたくさん知っててベラベラ話して来たら怖いですよね?そういうことです。

患者さんにしゃべってもらった情報が、カルテ上の情報と一致しているか、カルテに載っているのに話してくれないことがあるか、またカルテに載ってはいないけど話してくれることがあるか。そこで、自分に対しての評価を行います。

患者さんが、気づいたらたくさん話していた。という環境を作り出せれば最高です。

その環境を作るには、理学療法士の表情や声掛け、声のトーンや抑揚が重要になります。

 

では、どうやって患者さんの心をつかむか!?

患者さんから信頼されるためには、まず寄り添うこと。患者さんはただでさえ不安いっぱいで入院されています。患者さんの意見を可能な限り尊重し、傾聴を行うことが重要です。また、患者さんの言った言葉をそのまま繰り返すことや、話し方を合わせること、共通の会話をすること、自分の失敗談などを話すことで安心感を生み距離を縮めることがきます。ラポールがある程度形成されたら、患者さんの訴えの中から、目標やゴールを提案し、その反応を見ながら、こちらがリードしていくことが重要となります。ラポール形成されている患者さんは、リハビリへの取り組みもより意欲的になり、理学療法効果も出やすくなります。

 

まとめ…

ラポール形成するのはなかなか難しいです。特に、入院中の患者さんはいろんな悩みや不安を抱え、情緒不安定になっている方も少なくありません。また、せっかく築いたラポールも、軽はずみな言葉で一気に崩してしまうこともあります。軽い言葉も鋭いナイフ』に気を付けて、よりよい関係性を築き、効果的な理学療法を提供していきたいものです。では…